- 「どうも屋根から雨漏りを起こしている……」
- 「それほどひどくないので簡単に治せないだろうか」
- 「業者を呼ぶとしたら、費用はどのくらいかかるの?」
雨漏りはある日突然顕在化します。
といってもいきなり手の施しようがないほどひどい雨漏りをするわけではなく、多くの場合はゆっくりと時間をかけて住宅を浸食します。
初期段階で雨漏りを発見することができれば、早めに手を打つことが出来るのです。
本記事では、屋根からの雨漏りを防水処理によって修理する方法をご紹介します。
後半には具体的な数字を用いながら、各種修理方法によりかかる費用の概算をまとめてありますので、参考にしてください。
屋根からの雨漏りを防水処理で修理!
本項では主に、雨漏りを放置することによって引き起こされるあらゆる不備についてご説明します。
屋根の雨漏りは放置すると危険!
雨漏りは、言わずもがな雨水が住宅の内部に浸水することで引き起こされる欠陥です。
本来であれば水の侵入が想定されていない部分に水が入るわけですから、これが諸悪の根源と化して様々な不備を引き起こします。
初期段階で手を打てば大事にはなりませんが、長期間にわたって放置すれば大規模改修は免れません。
以下、雨漏りを放置することによって起こりうる損害についてお話します。
部材が腐食しシロアリが発生
住宅の内部に用いられているほとんどの部材は木製であり、水に対する耐性に乏しくなっています。
当然、長期間にわたって水にあてられた木材はふやけ、腐食してしてしまいます。
これだけでも住宅の強度が損なわれてしまうため危険ですが、さらに湿気が抜けない為にシロアリの発生を許してしまいます。
シロアリはご存じの通り木を食べてしまう害虫で、住宅の天敵です。
部材の腐食がやがて雨漏りとなって顕在化する頃には、腐食そのものが相当進行し深刻化しているとみて間違いありません。
内装にダメージ、カビが発生する
住宅に住む居住者が室内から直接触れられるのは、天井や壁といった場所に張られている内装クロスですが、雨漏りが進行すると内装にも影響を及ぼします。
天井に大きなシミが発生し、屋根裏に蓄えられた水分と湿気によって内装ボードが徐々に膨れ上がり、最終的にしずくが落ちてきます。
景観に支障をきたすうえ、放置すればカビが発生して手の施しようがなくなります。
家具や家電への被害
天井から水が落ちてくるのであれば、当然その下に置かれている家電はダメージを受けることになります。
水気を拭き取ってどうにかなるものであれば平気ですが、木製や布製の製品は汚水を受けて使用不能になります。
パソコンやテレビなど特に水気を嫌う家電製品は軒並み故障し、高いお金を払って買い替えを余儀なくされます。
下に何も置かれていなかった場合でも、フローリングや畳を痛めるので要注意です。
雨漏りを防水処理して修理!自宅でできるDIY
軽微な雨漏りであれば、ご家庭のDIYで対処できる場合があります。
買いそろえる用具もホームセンターに市販されているものなので、業者を入れるよりも安上がりで済みます。
ただしなんでもかんでもDIYで済まそうとせず、無理だと思えば素直に業者を呼ぶのがベストです。
修理方法1. 防水アルミテープによる補修
防水アルミテープというと聞きなれないかもしれませんが、要するにアルミ加工の施された頑丈な防水テープです。
粘着力が強く、施工性に優れているため、対処できる幅が広いのが特徴です。
欠点としては、ギラギラとしてやけに目立つため、屋根の外側に張る場合意匠性が損なわれます。
貼った上から塗装を重ねることでアルミ特有のぎらつきは隠せますが、既存の屋根とまったく同じ色を調合して塗装するのはプロでも骨の折れることです。
意匠性にこだわるのであれば、後述する防水シートを採用するのが良いでしょう。
修理方法2. 防水シートによる修理
防水アルミテープに比べると応用範囲が広く、広い面でも難なく施工できるのが特徴です。
柔軟性に富んでいるので、寒暖差による部材の微妙な伸縮にも対応し得るため安心です。
アルミテープと違って意匠性を著しく損なうこともありません。
ただし、価格は少々高めになります。
修理方法3. コーキング剤を充填して補修
コーキング剤は、主に屋根や外壁のひび割れを塞ぐために用いられます。
見た目は粘土とボンドを混ぜたようなもので、粘性が高く、乾燥させるとゴムのような質感を持ちます。
アルミテープや防水シート等に比べると、作業に少々専門性が加わるために手軽さは失われますが、すきまから入り込む雨水に対しては高い防御力を発揮してくれます。
また、製品によっては上から塗装を重ねることもできるため、ある程度意匠性を保持したまま防水処理を施すことが可能です。
修理方法4. ブルーシートによる応急処置
たとえば雨漏りの箇所が判別できなかったり、被害が甚大で一刻も早く穴をふさいでしまいたいときには、ブルーシートによる応急処置も検討できます。
当該箇所にブルーシートを敷き、風で飛ばないよう土嚢等で抑えるだけです。
ただしこれは本当の応急処置であり、これだけで雨水の侵入を完全に塞ぐことはできません。
あくまでも雨水に流入量を防ぐためであると考え、早めに専門業者を呼びましょう。
修理方法5. サッシ・窓枠からの雨漏りの応急処置方法
サッシや窓枠から雨漏りを起こしている場合は、タオルなどを敷き詰めることで水分を留めておくことができます。
いけないのは、雨水を塞ぎたいからと言ってむやみやたらにコーキング剤を充填したり、めちゃくちゃにアルミテープを張ってしまうことです。
サッシ・窓枠まわりの防水はDIY技術では対処しきれない場合が多い為、こちらも早めに専門業者を呼ぶのが良いでしょう。
いくらかかるの?屋根の雨漏りを防水による修理をした場合の相場
では最後に、それぞれの修理方法でどのくらい費用に差が出るのか、相場を見ていきましょう。
1. DIYを行った場合の費用
- 自分で工事を行うため、工賃をまるまる浮かすことができる
- 業者に連絡しなくてよいため、手軽
■デメリット
- 信頼性に欠ける
- 応急処置的なものであるため、再発のリスクを抱えることになる
2. 専門業者にお願いした場合
2~3万円
- 適切に処理してもらえるため、安心
- 再発のリスクを大幅に減らすことができる
- 少々割高である
- 業者を探す手間や打ち合わせの手間が発生する
3. 屋根全体を修理する場合の費用
住宅の規模によって変わるが、おおむね80万円~
- 雨漏りを抜本的に解決することができる
- 耐用年数をリセットすることができるため、再発のリスクはほぼゼロ
- 追加で雨漏りに強い屋根を採用することが出来る
- 大規模改修になる
- 工賃が非常に高くつく
まとめ
- 雨漏りは放置すると危険
- DIYでの修理はあくまでも応急処置と考える
- 雨漏りを抜本的に解決したいのであれば屋根の全面葺き替えを検討する
雨漏りが発生するとつい焦ってしまい、どうすれば良いのか分からなくなってしまいます。
本当に軽微なものであればDIYで対応できる場合もありますが、多くの場合は雨漏りを起こした時点で業者を呼ぶのが最も確実です。
DIYでだましだまし不備を放置していると、そのうちやむなく大規模改修を検討せざるを得なくなるかもしれません。
早めに根本的な問題を解決するようにしましょう。