「雨漏りは放置すると良くないって聞くけど……何が良くないのかイマイチ分からない」
「目に見える範囲で、雨漏りの程度を推し量ることは出来るの?」
「どんな症状が出たらどんな修理をすれば良いのか知りたい」
「専門業者にお願いするとしたら、費用はどのくらい?」
多くの人にとって、雨漏りはある日突然訪れるものです。
何かしら分かり易い予兆があればまだしも、それも無しに突然訪れるのですから焦ってしまうのも無理はありません。
逆に考えれば、雨漏りのサインを見逃さないようにしておけば自分で対処することが可能です。
本記事では、雨漏りの症状とその前兆についてお話するとともに、症状別の修理方法、またその費用についても解説していきます。
築年数の多い家にお住いの方、まだ雨漏りの心配をするには早いけれど、知識として知っておきたいという方はぜひご活用ください。
実は末期?!症状から見る雨漏りの程度
まずはじめに、顕在した雨漏りの症状から、建物の見えない部分がどの程度のダメージを受けているのか推察する方法についてお話します。
普段は気に留めなくても、じっくりと建物の内外を観察すれば、雨漏りのサインを見つけ出すことが可能です。
1.住宅内に顕在する雨漏りのサイン
まずは普段からよく目にする、住宅内における雨漏りのサインについてご説明します。
次のような症状がみられる場合、見えない部分で雨漏りが進行している可能性があります。
- 天井板、天井クロスにシミが出来ている
- 天井クロスが不自然に剥がれてきている
- 天井にカビが発生している
- 雨の日等、耳を澄ませると天井から水の滴る音がする
- 雨の日になると、サッシの周辺が濡れている
- 壁クロスにシミが出来ている
- 壁紙が不自然に剥がれてきている
- 特定の部屋だけ湿気っぽく、カビが発生している
このうち、とくに「シミの出来るもの」に関しては、高確率で雨漏りが進行しているとみて間違いありません。
これを放置すると、そのうち水が天井を貫いてポタポタと滴ってきます。
また、特に何もしていないにも関わらず急に室内の湿度が上昇した場合も、高確率で雨漏りを起こしています。
湿度は感覚で図るのが難しいので、可能であれば湿度計を設置するなどして常に室内の湿度を把握できるようにしておくと良いでしょう。
2.住宅外に顕在する雨漏りのサイン
次は住宅の外、普段あまり目にする機会の無い箇所に現れる雨漏りのサインについてです。
言わずもがな、雨風は外からやってくるもので、建物はまず初めに外部から劣化していきます。
特に屋根は雨はもちろん、雪や太陽光など様々な天候の影響を受ける為、他の箇所に比べて劣化するスピードも速くなっています。
こまめに住宅の外を確認してサインを発見しておけば、問題が住宅内に入り込む前に手を打つことが出来ます。
また、住宅内では顕在化しにくい雨漏りであっても、外部から発見することで修理を行うことが可能です。
- 屋根の板金部が錆びてきている
- 屋根が一部割れている
- 強風などが吹くと、屋根から変な音がする(留め具が外れている)
- 瓦屋根の場合、漆喰にひび割れなどの劣化が見られる
- 外壁にひび割れ(クラック)が発生している
- コーキングにひび割れなどの劣化が見られる
- 外壁を触ると、粉っぽい(チョーキング)
このような症状が外部に現れている場合、放置すれば雨漏りの原因となり得ます。
いずれもすべて板金や塗装の劣化なので、手を打てるうちに打っておくのが良いでしょう。
雨漏りは発生してから修理、ではなく、いかに発生を抑えるかが重要です。
3.ポタポタ滴が垂れてくるのは末期?
「雨漏り」と聞くと、天井や壁から水が浸みてポタポタと落ちてくるイメージですが、実はこの状態、すでに雨漏りの末期なのです。
雨漏りが起きるプロセスを追って考えると、
- 長期にわたって雨風に晒された屋根、外壁が著しく劣化する
- 劣化した箇所(例えばひび割れ)から雨水が侵入する
- 侵入した雨水や湿気が内部の部材に損傷を与える
- いずれ防水が効かなくなり、天井や壁にシミとなって現れる
- 天井や壁から滴が垂れてくる
つまり、「水が室内に落ちてくる状態」と言うのは、雨漏りの一番最後にあたります。
家具が濡れた、電化製品が壊れた、というのはあくまでも二次災害であり、「水が室内にまで侵入する」というのが雨漏りの終着点です。
すなわち、雨漏りが見えるようになっていたら、それは雨漏りが始まったサインではなく、終わったサインであるということです。
雨漏りにおける症状別応急処置
この項では、雨漏りが起きた際の応急処置の方法についてご説明します。
症状によって様々な方法があるので、ご自分の症状にあったものを使い分けるようにしましょう。
1. 滴が垂れてくる
- バケツ
- 雑巾
- ブルーシート・レジャーシート
まずは滴の落ちてくる先に、ブルーシートやレジャーシートを敷き、その上にバケツを置いて滴を受け止めます。
滴の跳ね返りを防ぐため、バケツの底に雑巾や丸めた新聞紙を入れておくとより効果的です。
もし天井から雨漏りを起こしていて、かつ屋根裏にアクセスができるようであれば、屋根裏に同じような仕組みを作って水が室内にまで入り込まないように工夫します。
2.窓から雨漏りを起こしている
- 雑巾
- ビニールシート、ゴミ袋
水が侵入している箇所に雑巾を敷き、水を吸い取ります。
広範囲にわたる場合は、ビニールシートを敷いてその上に雑巾を並べます。
カーテンを設置している場合は、湿気でカビが発生する可能性があるため、撤去するか短く上にまとめておきましょう。
3.屋根や瓦が壊れた
- 大きめのブルーシート
- 砂利や土などを詰めた土嚢袋
- 養生テープ
屋根や瓦が壊れてしまった場合、直すのはプロの力を借りなければなりません。
とはいえ、専門業者が到着するまでの間、壊れた屋根や瓦を野ざらしにしておくわけにもいきません。
そこで便利なのがホームセンター等で手軽に購入できるブルーシートです。
まずは壊れている箇所を中心にブルーシートを敷き、端を養生テープでしっかりと固定します。
その後、土や砂利を詰めた土嚢袋を置いて重しにし、風で飛ばされないようにしておきます。
屋根の上に上がらなければならないのと、重い土嚢袋を用いなければならないので、可能であれば大人の男性二人で作業を行った方が良いでしょう。
雨漏りの修理にかかる費用
これまでは、DIYの範囲でできる応急処置についてご説明しました。
雨漏りは根本的に解決を図らなければ、何度でも再発します。
当然、DIY技術で雨漏りを完全に直すことは不可能なため、プロの手を借りることになります。
この項では、雨漏りの修理にかかる費用を箇所別にご紹介します。
- 屋根修理:1~45万円
- 外壁修理:5~50万円
- 室内天井:10~15万円
- ベランダ:3~25万円
- 窓サッシ:3~25万円
- 屋上 :20~100万円
当然、住宅の規模や雨漏りの程度、修理方法によって掛かる費用は変動します。
あくまでも目安として覚えておくと良いでしょう。
まとめ
本記事のまとめになります。
【住宅内における雨漏りのサイン】
- 天井や壁にシミが出来ている
- クロスが不自然に剥がれてきている
- カビが発生している
【住宅街における雨漏りのサイン】
- 屋根の板金部が錆びている
- 外壁にひび割れ(クラック)が見られる
- コーキングがひび割れしている
毎日つぶさに観察する必要はありませんが、気が付いた時に家をぐるっと見回るぐらいのことはした方が良いでしょう。
「雨漏りはなってからでは遅い」ということを念頭に、メンテナンスを欠かさず、大切な住宅を長く綺麗に使いたいですね。