「雨漏り補修スプレーって最近よく聞くけど、どんな製品なの?」
「使うのは簡単そうだけど、その分デメリットが心配」
「使用上の注意について教えてほしい!」

簡単な雨漏りならDIYで済ませてしまおう…と考える方も多いのではないでしょうか。
事実、ホームセンターに行くと様々な「雨漏り補修グッズ」が売られています。
プロ用の製品ではないにせよ、簡単な雨漏りや間に合わせの応急処置程度なら十分実用に耐えうるものです。

本記事では、様々ある雨漏り補修グッズの中でも「雨漏り補修スプレー」について取り上げます。
製品の概要をはじめ、デメリットや注意点についても詳しくご説明します。

「雨漏り補修スプレー」とは?

本項では、雨漏り補修スプレーの概要と使い方、具体的な商品などをご紹介します。

1. 概要

雨漏り補修スプレーは主に応急処置として用いられます。
工具等を必要としない為、誰でも簡単に扱えるのが大きな特徴です。
機能としては、水が浸水しているとみられる部分に吹き付けることでコーティングを施し、さらなる水の侵入を防ぐことが目的です。
種類にもよりますが、モルタル面やコンクリートの表面に発生した軽微なヒビや穴などに効果を発揮します。
また、撥水効果を持ったスプレーの場合、水を寄せ付けないためカビや苔の発生を抑えることが出来ます。

2. 使い方

補修スプレーの使い方を、手順を追ってみていきましょう。

使い方
  1. 補修を行う箇所のゴミや錆び、汚れなどをしっかりと除去する
  2. スプレーを上下によく振り、中の液剤を撹拌する
  3. 補修箇所から20~30センチ話して噴射する
  4. 液剤が均等に行き渡るように、3~4回重ね塗りを行う
  5. 完全乾燥のため、最低24時間放置する

たったこれだけで完了です。
乾燥させるために、屋外で施工するときは晴れの日を選ぶようにしましょう。

3. 選び方

補修スプレーは主にホームセンターやインターネットの通販サイトで手に入れることが出来ます。
雨漏りの応急処置に使う際は、雨漏り補修用、住宅用、多用途等の記載があるものを選ぶようにしましょう。
また、施工する面がどのような材質であるかをあらかじめ調べておくと困りません。
塗膜が形成されると塗装が乗らなくなる商品もあるため、今後塗り替えの予定が控えている場合はそれらの情報も併せて確認します。
一般的な金額としては、700円~4,000円程度が主流です。

4. 具体的な商品例

①日本特殊塗料 / 強力防水一番(浸透性防水材)

吹き付けるだけで素材の内部に成分が浸透し、防水はもちろん防カビにも効果を発揮します。
外壁のひび割れからの浸水、雨漏りにも効果的です。

用途

家屋の土台・雨戸・戸袋・板壁・物干台・木製スノコなど、木部の防水と防腐。
コンクリート・モルタル壁などの微亀裂による簡易防水。
厚手の繊維のテント・幌・雨傘・布バケツなどの防水・防カビ加工。
車庫・倉庫などコンクリート壁・防塵・防カビ加工。

概要

色   :クリア(透明)
成分  :合成樹脂(シリコーン)、有機溶剤、防カビ剤
使用箇所:屋内外兼用
乾燥時間:夏季5~6時間・冬季8~10時間
価格  :420ml缶 1,639円(税込)

②ラストオリウム / 防水スプレー リークシール (RUST-OLEUM)

水漏れ部や亀裂部を充填し、浸水や湿気の透過を防ぐため、防水・防蝕効果に期待できます。
取り扱いは簡単で、即座に柔軟で密封性のある保護膜を形成します。
乾燥後の仕上がり面は滑らかで、水性・油性塗料ともに上塗りが可能です。

用途

雨樋、屋根、配管、塩ビ、レンガ、コンクリートなどの漏水箇所

概要

色   :クリア(透明)
危険等級:Ⅱ
乾燥時間:24時間(20℃湿度50%)
性状  :非水溶性(水に溶けません)
価格  :1,529円(税込)

③ニッペホームプロダクツ / 住宅用防水スプレー

素材に浸透し、耐候性に優れた防水層を形成します。
カビ・コケ・汚れを防ぎ、建物の美観を長期間保ちます。
塗料の下塗りとしても使用可。

用途

コンクリート・モルタル・ブロックなど建物外壁の防水・防汚・防かび・防苔・微亀裂の防水に。
物干台・雨戸・板かべなど木製品の防水・防汚・防腐・防かびに。
浴室内壁・タイル目地の防水・防かびに。煉瓦・タイルなどの目地の白華(エフロ)防止に

概要

使用場所屋:内外兼用
特性   :防水、耐候
主な用途 :コンクリート、かわら屋根、浴室、外カベ
価格   :1,098円(税込)

5. 注意点

雨漏り補修スプレーを使用する際は、使用上の注意をよく読み、正しく使う必要があります。
たとえば同じ箇所に連続して噴射し続けると、液剤が垂れてきてしまい美観を損ねると共に、機能を十分に発揮できなくなります。
また、乾燥しないうちから塗料を上塗りすると、思わぬ瑕疵をもたらす可能性もあります。

その他、成分の中に危険物が含まれているものに関しては、経皮や吸入による曝露を防ぐため、手袋やマスクを着用すると良いでしょう。

他にもまだある!便利な雨漏り補修グッズ

手軽に雨漏りを補修できるのはスプレーだけではありません。
その他代表的な製品についてご説明します。

1. 防水テープ

防水テープは、目的の箇所に張るだけなので扱いやすく、初心者でも簡単に施工できるのが特徴です。
板金部が錆びて穴が開いてしまった場合等、張るだけで簡単に応急処置が完了します。
美観は損ねますが、間違ってもやり直しの効く融通性、必要な時に必要なだけ使用できる手軽さは他の雨漏り補修グッズにない特徴です。

2. ブルーシート

「雨漏りはしているが、どこから雨が漏れているのか見当がつかない」。
ブルーシートはそんな時、強い味方になってくれます。
防水テープが局所的なカバーを目的とするのに対し、ブルーシートは広範囲をカバーすることが可能です。
そのため、主に屋根の上にかぶせる形で施工することになるでしょう。

ブルーシートを掛けるときは、必ず二人以上で行います。
また、ブルーシートが風で飛んでいかないよう、土嚢(重し)を別途用意する必要があります。
防水テープや雨漏り補修スプレーに比べて取り回しの悪さは否めませんが、こと原因の特定が難しい雨漏りにおいて、とにかく広範囲をカバーできるというのはそれだけで優位性があります。

3.吸水シート

吸水シートは、主に室内の雨漏りに対して使用します。
天井や壁から垂れてきた滴は、そのままにしておくと床材を痛めてしまいます。
吸水シートは大量の水を吸い取ることのできる特殊なシートで、ホームセンターなどに売られています。
これを滴の垂れてくる箇所に張り付ける、または滴の落ちてくる先に敷いておくことで、床材や壁を守ることができます。
とはいえあくまでも応急処置のため、根本的な解決にならない点は

雨漏りが深刻化する前にプロに相談しよう

一般的に、雨漏りは顕在化してからしかるべき場所に相談するのが慣例となっています。
がしかし、実は雨漏りというのは顕在化している時点ですでに重症であると認識しなければいけないのです。
内部に侵入した雨水が天井や壁を伝い、居住スペースにまで漏れてきているのですから、部材へのダメージは推して知るべしといったところです。
応急処置で何とかなるからと言って、雨漏りを放置すると部材にダメージが蓄積し、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
雨漏りは出来るだけ早く、深刻化する前にプロに相談するのが良いでしょう。

まとめ

補修グッズまとめ
  1. 多くはホームセンターで入手できる
  2. あくまでも応急処置
  3. 価格は700~4,000円
  4. 使用上の注意を遵守すること
  5. 雨漏りを発見したら、早めにプロに相談

補修グッズは対症療法的な側面が強く、根本的な解決には向きません。
業者が着工するまでのわずかな期間を凌ぐための応急処置として割り切りましょう。
間違っても雨漏りの放置は厳禁です!