雨漏りの修理はどんな種類がある?8つの修理方法を解説
  • 「今はまだ雨漏りを起こしていないけれど、その時が来る前に知識を身に着けておきたい」
  • 「現在、雨漏りを起こしている。修理をしたいけれど、どんな方法があるのか分からない」
  • 「修理方法によって、かかってくる費用や日程はどのくらい違うの?」

雨漏りと一概に言っても、その原因は一つだけではありません。

様々な原因が複合的に絡み合って、事態が複雑化していることもあります。
さらには使われている屋根材の違い等もあり、なかなか一筋縄にはいかないのが雨漏り修理です。

本記事では、少々複雑な雨漏り修理の方法をまとめ、概要を記しました。
雨漏りに悩んでいる人はもちろん、単に知識として身に着けておきたいという方も是非お役立てください。

全8種!屋根修理における種類とその概要

上記でも少し述べましたが、雨漏りにおける屋根修理の方法は一つではありません。

原因、使われている屋根材、コスト、それぞれを総合して最適な修理方法を導き出す必要があります。
本項では、主な屋根修理の方法を8つ挙げたうえで、その概要についてお話します。

種類1. 葺き替え

「葺き替え(ふきかえ)」は、文字通り既存の屋根をすべて撤去し、その上からあらたな屋根材を施工する方法です。
他の工法に比べると大規模になりやすいものの、古い建材を撤去してしまうため、雨漏りの抜本的な解決が期待できます。

費用の目安
30坪の住宅で140~200万円程度
工期の目安
足場を組む必要があるため、2週間前後と長めに必要

一般的には、築年数30~40年程度経過した住宅に対して採用されます。

種類2. 葺きなおし

「葺きなおし」は少々特殊で、既存の屋根材を撤去した後、下地のみを修理し、既存の屋根をもう一度葺き直す方法です。
その特性上、瓦屋根だけで可能な工法です。

ガルバリウム鋼板やスレート屋根、コロニアル材などは一度剥がしてしまうと再利用できないため、この点は日本瓦の強みと言えるでしょう。
一度屋根材を撤去してしまう点では葺き替えと一緒であるため、より低いコストで雨漏りの抜本的な解決を期待できます。

費用の目安
30坪の住宅で70~100万円
工期の目安

一週間前後

こちらも葺き直し同様、築年数30~40年程度の古い住宅に採用されます。

種類3. カバー工法

「カバー工法」は、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる方法です。
葺き替えや葺き直しと同程度の効用を得られるうえ、撤去する手間がかからないため、上記2つの工法よりもコストを抑えることが可能です。

ただし、言い換えればこれは破れた傘の上にビニールを重ね貼りしているようなもので、抜本的な解決とは言えません。
数年経てばまた雨漏りが再発する可能性も十分に考慮する必要があります。

費用の目安

30坪の住宅で80~120万円

工期の目安
最短5日から最長10日程度

葺き直しが選択できるのであればそれが一番良いですが、コストや工期の兼ね合いで葺き替えが難しい場合には採用を検討しても良いでしょう。

種類4. 塗り替え

「塗り替え」は、文字通り既存の屋根に塗装を施し、防水性と意匠性を復活させる方法です。
雨漏りの根本的な解決を求めるものではなく、もっぱらメンテナンスとしての側面が強いと言えるでしょう。

つまり、雨漏りを起こしているからと言って、屋根に塗装をかけても何の解決にも至りません。
築年数が10年経過するごとに採用し、定期的にメンテナンスを行うことで、下地材へのダメージを軽減することができます。
また、実際に屋根の上に業者が上がるため、不備がある場合は発見してもらいやすくなるというメリットもあります。

費用の目安

使用する塗料や塗り回数その他で多少バラつきはあるものの、おおむね40~80万円程度

種類5. 屋根材の修理

「屋根材の修理」は、瓦屋根やスレート屋根、ガルバリウム鋼板屋根を部分的に補修・交換を行い、雨漏りの解決を図る方法です。

たとえば自然災害などの外傷により、屋根材そのものは元気でも一部だけ破損してしまった、という場合にはこの工法が採用されます。
破損個所を放置しているとそれが雨漏りの原因となることもあるため、抜本的な解決法であると共にメンテナンス的な側面も強いと言えます。

費用の目安

1万5000~4万円程度

他の工法よりも圧倒的にコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
ただし別途足場を組む必要がある際は、さらに費用が高くなるため事前に打ち合わせを行っておく必要があります。

種類6. 棟板金等の交換

「棟板金」とは、屋根の頂上に位置する部材の名称で、主にスレート屋根やコロニアル屋根、金属屋根に用いられています。

棟板金は屋根材の中でも特にダメージを受けやすく、寿命のサイクルが早いことが特徴です。
そのため屋根材自体は元気でも、棟板金が傷んでいたために浸水を許し、雨漏りの原因を作ってしまった、という可能性も考えられます。

注意点としては、雨漏りを起こしている場合は棟板金だけを取り換えるのではなく、下地材も一緒に交換するようにしましょう。

費用の目安

10~30万円程度

工期の目安

おおむね一週間以内

種類7. 漆喰の交換

「漆喰」とは、瓦屋根に用いられている粘土状の接着材です。

経年によりこの漆喰材が劣化すると、雨漏りの原因を作ってしまいます。
古くなった漆喰を除去し、新たに漆喰材を塗布するのがこの工法になります。

少しでも安くしようと漆喰材を除去せず重ね塗りを行うと、雨漏りをさらに悪化させてしまう可能性があるため注意が必要です。

費用の目安
10~25万円程度
工期の目安

2日から4日間と比較的短期

種類8. 雨樋交換・修理

「雨樋交換」は、劣化したり破損した雨樋を丸ごと交換してしまう方法です。

雨樋は雨漏りとは直接関係しない気がしますが、雨樋が破損して雨水がきちんと排水されない状態が長く続くと、屋根ではなく主に外壁を汚損し続けます。
汚損が長期間にわたって行われることで部材の劣化が速まり、結果的に屋根と外壁の取り合い部から雨水の侵入を許してしまうことになります。

費用の目安

取り換え箇所、件数によって変動するが、3~30万円程度

工期の目安

最短1日から終了するものもある

屋根修理業者を選ぶ際のポイント

それでは最後に、上記で紹介したような修理をお願いする業者をどのようにして選べばよいのか、そのポイントについてお話します。
はじめにお話しした通り、雨漏りにおける屋根の修理方法は、原因や使用されている屋根材によって逐一違います。

たとえば自宅に金属屋根が使用されている場合は、板金工等金属加工を専門に取り扱う業者に依頼します。
瓦屋根であれば、瓦屋根を専門に取り扱う業者にお願いするのが一般的です。
それぞれ求められる知識や技術が違うため、修理業者ならなんでも良いと考えるのは早計です。

運が悪ければ、消費者の無知につけこみ悪質な工事を行う悪徳業者につかまってしまうこともあるため、下調べは入念に行いましょう。
具体的には、

  • ホウレンソウを怠らず、丁寧に説明を行ってくれる
  • 見積額を提示してくれる
  • 工賃が相場と大きくかけ離れていない
  • 地元で実績を積み上げ、信頼されている

などが優良業者を見つけるための最低限のポイントとなります。

まとめ

雨漏りが発生すると、すぐになんとかしなければいけないと焦ってしまうことがあります。
その気持ちは分かりますが、まずは焦らず、問題をひとつひとつ精査したうえで、修理方法を決める必要があります。

とりあえず対症療法で急場をしのぐのか、抜本的な解決を選択するのかは、業者と打ち合わせを行い、自身の事情と照らし合わせたうえで決定しましょう。