雨漏りの予防方法
  • 「住んでいる家の築年数がだいぶ経っているので、雨漏りを起こさないか心配…」
  • 「雨漏りが起きる前に、何か予防することはできるの?」
  • 「素人判断は嫌なのでプロに調査をしてもらいたいが、その場合費用はどのくらい必要になるの?」

    住宅は言ってみれば「消耗品」です。
    規模が大きいうえ、用途が居住に限られているためいちいち意識することはありませんが、住宅も家電製品等と同じように、「耐用年数」が決まっているのです。

    ということは、見えない部分で必ず経年劣化が進んでいるということです。
    特に築年数の経っている住宅の場合、ぱっと見では分からない部分に瑕疵が発生している場合があります。

    「大切な家だから、これからも大切に使いたい!」という方に向け、本記事では主に雨漏りの予防についてお話します。
    後半では実際に予防策をご紹介しているので、是非参考にしてください。

    あなたの家は大丈夫?雨漏り予防が大切な理由

    まずは基本の「キ」となる雨漏り予防の重要性についてお話します。
    雨漏りが発生すると以下のような問題が発生する可能性があります。

    1. カビの発生

    雨漏りがもたらす最もポピュラーかつ目に付きやすい被害としては、カビの発生が挙げられます。

    雨漏りを起こした箇所はもちろん、滴が垂れた個所、またその周囲にカビが発生すると、住宅の意匠性を大きく損なうことになります。
    また、カビの中には人体に対して有害なものも含まれているため、放置すれば健康被害に発展する恐れもあります。

    2.シロアリの繁殖

    多くの住宅は内部に木材が使用されています。
    雨漏りとは、「本来侵入してはいけない場所に雨水が侵入する現象」であり、想定されない浸水は木材を腐食させます。

    腐食した木材からシロアリが発生すると、直接雨漏りの被害を受けていない箇所もシロアリによる被害を受けてしまうため、被害が拡大してしまいます。
    最悪の場合、部材が大破して大規模修繕を余儀なくされることもあり得るのです。

    3.電気系統へのダメージ

    言わずもがな、住宅には冷蔵庫や洗濯機をはじめとする様々な家電製品が置かれており、さらには見えない部分に電気配線が組まれています。

    水と電気は本来相容れない存在ですから、同じ空間に存在すれば様々な悪影響を及ぼします。
    分かり易い例では、雨漏りを起こした天井から垂れた滴が何らかの家電製品に直撃し、故障してしまうというもの。

    被害が甚大になると、電気配線を破壊して漏電を引き起こし、最悪の場合火災に繋がることも考えられます。

    これだけは抑えておこう!雨漏りの予防策6選

    雨漏りがもたらす悪影響については、前項でお話ししました。
    雨漏りを起こす前に予防策を講じることの重要性は理解できたかと思いますので、本項では具体的な予防策についてお話します。

    予防策1. コーキングの打ち替え

    「コーキング」とは、構造上やむを得ず外壁に発生する隙間に充填される建築部材です。
    一般的には、シリコンや樹脂といった水をはじく素材で作られており、ゴムのような質感が特徴です。

    コーキングは素人でも施工できるほど扱いやすい反面、経年劣化を起こしやすく、すぐにひび割れを起こします。
    そもそも水をはじくために施工しているはずのコーキングにひび割れが生じれば、そこから少なからず雨水が侵入してきます。
    これを防ぐため、変色やひび割れを起こしているコーキングは早めに撤去し、打ち替えを行いましょう。

    確認するためには特に難しい手順は必要なく、目視で判断するのみで十分です。

    予防策2. 下地の補修

    住宅の屋根および外壁は、常に雨風や紫外線にさらされているため、劣化を起こしやすくなっています。
    目で見て分かる分には良いですが、たとえば外壁にヒビが生じている場合、外壁の下に存在する下地から補修を行う必要があります。

    対症療法としてひびをコーキングで塞ぎ、その上から塗装を行ってもあまり意味はありません。
    抜本的な予防策を講じたいのであれば、一度プロに相談して下地の状態を確認してもらうのがベストです。

    瑕疵が目に付くようになるたびにちまちま修繕を行うより、一度にまとめて行ってしまった方が良いでしょう。

    予防策3. 防水シートの交換

    下地補修と重複する部分もありますが、防水シートの交換も効果を発揮する予防策の一つです。

    たとえば外壁や屋根にひびが入り、コーキングがひび割れを起こしていても、防水シートが健全であればそこで雨水は食い止められます。
    しかし、この防水シートが劣化していると雨水はさらに奥へと浸水し、ついに部材にまで到達します。

    下地の修繕を行う場合は、防水シートを丸ごと交換してしまうのも検討すると良いでしょう。

    4. 屋根や外壁の塗装

    塗料は住宅の外見に意匠性を加えるだけではありません。

    防水性能や耐候性を高める役割も担っています。
    外壁や屋根にひび割れといった大きな瑕疵は認められないが、塗装が剥げてきたり、劣化して粉っぽくなってしまっている場合は、塗装工事だけでも行うのが良いでしょう。

    塗料には様々な種類があるため、どれを選択するかはプロの判断に任せるのが良いです。

    予防策5. 各種板金の張り替え

    屋根から発生する雨漏りの多くは、板金部の劣化によるものがほとんどです。

    板金は雨仕舞部に用いられることが多く、錆が発生して穴が開いたりすると、そこから雨水が侵入してきます。
    特に屋根の頂点に位置する「棟板金」などは、ご自分で確認するのが難しい為、発見が遅れてしまう可能性があります。

    錆が点々と発生している程度であれば、錆を落としたうえで塗装を行うことで耐用年数を稼ぐことが出来ますが、穴が開いてしまっているものは潔く張り替えてしまうのが良いでしょう。

    予防策6. 応急処置には防水テープを

    「防水テープ」は、ホームセンター等で市販されている防水性能を持ったテープの総称です。

    プロが使用することもありますが、一般的にはライトユーザー向けに販売されているものがほとんどです。
    用途としては、雨漏りが懸念される箇所に張るのみです。

    手軽な反面、防水性能はそれほど高くない為、あくまでも「応急処置」であることを念頭に置いておきましょう。

     

    調査は専門業者にお願いしよう

    「そろそろ雨漏りが心配だから、自分で屋根に上って確認してみよう」と考える方もいるかもしれません。
    建設業に従事していた人であればまだしも、素人が屋根の上に上るのは危険です。

    屋根に上ったところで、どこに雨漏りの原因が潜んでいるのか、的確に見つけるのはほとんど不可能です。
    以上のことから、雨漏りの調査は専門業者にお願いするのが良いでしょう。

    そして、できれば3年置きごと定期的に確認してもらうのがベストです。
    だめになった箇所を適時修繕してあげれば、住宅の耐用年数はグッと伸びてくれます。

    雨漏りの点検については、「雨漏りの点検方法と頻度」で詳しく解説をしていますが、ここでは専門業者に依頼した場合の費用相場を見ていきます。

     専門業者による調査費用の相場

    プロの目による調査の費用がどのくらい必要なのか、その相場についてお話します。

    目視による調査

    プロが実際に屋根に上り、写真を撮影したうえでどの箇所に瑕疵が認められるかを教えてくれます。

    相場:5,000円~15,000円

    散水試験調査

    雨漏りが懸念される箇所に水を撒き、水がどのような経路をたどるのかを調べます。
    詳細な調査になるため、原因が特定しづらいときや、より詳しく住宅の状態について知りたい方におすすめです。

    相場:35,000円~100,000円

    まとめ

    本記事のまとめになります。

    雨漏りが発生することでもたらされる主な悪影響
    1. カビの発生による健康被害
    2. シロアリの繁殖による大規模修繕工事
    3. 電気系統のダメージによる家電破損、火災
    雨漏りの予防策6選
    1. コーキングの打ち替え
    2. 下地補修
    3. 防水シートの張り替え
    4. 屋根・外壁の塗装
    5. 各種板金の交換
    6. 応急処置としての防水テープ

    住宅はメンテナンスによって耐用年数を稼ぐことができます。
    瑕疵は発見次第修繕して、大切な家を長く使いましょう。