- 「雨漏りの点検は定期的に行ったほうがいいんだろうか…」
- 「点検にはどんな方法はあるんだろう?プロに頼まないとだめなのかなぁ…」
雨漏りは住宅におけるトラブルで、厄介なものの一つです。
一度起きてしまうと再発しやすく、二次被害が起こるリスクもあるので、定期的に点検して予防に努めることが大事です。
しかし、雨漏りの点検といっても、どんなことを行うのか想像がつかない人も多いと思います。
やみくもに見て回るのではなく、見るべきポイントや点検頻度をしっかり押さえておかなければ、せっかく点検しても無駄に終わってしまう可能性もあります。
そこで本記事では雨漏りを予防するための点検方法、見るべきポイントや頻度について詳しく解説します。
雨漏り予防のための点検とは?
初めに雨漏りの点検が必要な理由と、点検の具体的な方法について解説します。
雨漏りの点検が必要な理由
そもそも雨漏りの点検はなぜ必要なのでしょうか。
それは建物の劣化箇所を把握し、早めに修理を施して雨漏りの発生を防ぐためです。
屋根やベランダなど雨漏りが発生しやすい箇所を点検すると、ひび割れやコーキングの劣化など、雨漏りの兆候が見つかることがあります。
点検で見つかった劣化箇所を早い段階で補修すれば、雨漏りの発生を防げるでしょう。
もし点検せずに放置していると、劣化が進行していき、ある日、突然雨漏りに襲われるケースがあります。
劣化箇所の修理は、基本的に専門業者に依頼する必要があるので修理費は掛かります。
しかし、費用を出し惜しみして、万が一、雨漏りが発生すると漏れ箇所の修理だけでなく、二次被害や再発のリスクまで抱えしまいます。
そのため、できるだけ早期発見して修理することをおすすめします。
雨漏りの点検にはどんな方法があるのか
雨漏りの点検は基本的に目視で行います。
雨漏りが発生しやすいポイントを点検者が見て回り、劣化状況(ひび割れ、塗装剥がれ、錆の発生など)を確認していく方法です。
具体的に見るべきポイントについては、次項で詳しく解説しますが、住宅における雨漏りの多くは屋根から発生しています。
屋根を点検する場合、屋根に上がらなければ確認できない箇所も多くあります。
その場合、危険を伴う作業になるので、よほど自信のある人以外は専門業者へ依頼するようにしてください。
目視での点検なら業者によっては無料で行ってくれるケースもあるので、事前に確認することをおすすめします。
雨漏りの点検で注意すべきこと
次に雨漏りの点検を実施する際の注意事項について解説します。
雨漏りの点検で見るべき場所
雨漏りは様々な場所から発生しますが、建物の隅から隅まで確認する必要はありません。
雨漏りしやすい箇所は大体決まっていますので、ポイントを押さえて確認する方法が一般的です。
以下に点検の際に見るべき場所をまとめます。
屋根
屋根は一般的な住宅において、雨漏りがもっとも起こりやすい場所です。
特に屋根と外壁の取り合い部分からの雨漏りは大変発生しやすいので、注意すべき箇所といえます。
実際に見るべきポイントとしては以下の通りです。
- 屋根と外壁の取り合い部分のシーリングが破れていないか
- 屋根材にひび割れが発生していないか
- 屋根材が欠落していないか
- 板金が浮いていたり釘が抜けていたりしていないか
- 屋根の周辺が泥やゴミで汚れていないか
ご自身で点検する場合は、住宅の外から双眼鏡などを使って目視で確認する方法があります。
屋根に上がって点検する場合は、危険が伴うので専門業者へ依頼するようにしてください。
外壁
外壁は雨風や紫外線に常にさらされているため、年数が経てば経つほど劣化していきます。
塗装やコーキングの打ち直しは、5~10年に1回ほど行う必要がありますが、計画的に修繕していても、台風や地震により急な不具合が発生する可能性もあります。
外壁で見るべきポイントは以下の通りです。
- 壁にひび割れができていないか
- 塗装に剥がれや変色が起きていないか
- 外壁タイル目地のコーキングが劣化していないか
なお、屋根と同様に下からでは確認できない高所や難所については、危険が伴う作業になるので、無理せず専門業者へ依頼するようにしましょう。
窓
窓はサッシや窓枠部分から雨漏りするケースが多いです。
窓は特殊な場所に設置しているケースを除けば、比較的容易に点検できる箇所なので、以下のポイントに注意して日頃から確認すると良いでしょう。
- 窓枠に隙間ができていないか
- サッシ部分のコーキングが劣化していないか
- 雨戸が破損していないか
窓はたまたま隙間が開いていて、雨が入り込んでしまったというケースもあるので、微量の雨漏りの場合、気づきにくいこともあります。
しかし、放置していると、状況が悪化してしまうので、注意深く見ていく必要があります。
ベランダ
ベランダも外部にさらされているため、雨漏りが起きやすい箇所です。
点検する際は、屋根や外壁のように危険を伴う箇所ではないため、比較的点検しやすい場所といえます。
ベランダで見るべきポイントは以下の通りです。
- 排水溝が詰まっていないか
- 雨が降った後に水たまりなどができていないか
- 手すり部分のコーキングが劣化していないか
重要なのは、雨が降った後の排水状況の確認です。
集合住宅の場合、下の階へ被害が広がってしまうケースも考えられますので、注意して見るようにしましょう。
雨漏りの点検はどの程度の頻度で行えばいいか
実際に雨漏りの点検はどのくらいの頻度で行えば良いのか、疑問に思う人も多いと思います。
住宅の規模やその土地の環境にもよりますが、ご自身での点検は1年に1回程度、専門業者による点検は5年に1回程度の頻度で行うのが理想的です。
もちろん定期的な点検以外にも、大きな台風や地震など自然災害が発生した場合、屋根や外壁が損傷し、急な雨漏りが発生する可能性があります。
そのため大きな自然災害が起こった後には、臨時で点検することをおすすめします。
また、自然災害による被害が起こった場合、火災保険が使える可能性があることを覚えておいてください。
ただし、自然災害による被害であることを立証するためには、災害が起こった直後に不具合を発見しければならないので注意しましょう。
点検で雨漏りを発見した際の対処法
最後に、点検によって雨漏りを発見した際の対応方法について解説します。
雨漏りを発見した際に最初に確認すべきこと
ご自身で雨漏りを発見した場合、まず本当に雨漏りなのかどうか考える必要があります。
もし雨漏り以外の要因による漏水であれば、違った対応を取らなければならないからです。
雨漏りかどうかを判断するためには、以下のポイントに該当しているかどうかを確認しましょう。
- 雨が降った後に水が垂れてきた
- 漏水箇所はエアコンなどの設備の付近ではなかった
- 漏水の箇所は屋根の真下だった
- 漏れてきた水が無臭だった
- 水道料金に変化はなかった
雨が降っている時に漏水した場合は、雨漏りと断定して良いのですが、雨が止んだ後になって屋根材などに蓄積した雨水がにじみ出てくるケースもあります。
こうした場合は雨漏りかどうか判断がつきにくいので、上にあげたチェックポイントを参考にしてください。
自分でできる応急処置とは?
雨漏りの修理は素人では困難なので、基本的に専門業者へ依頼する必要があります。
しかし、専門業者が実際に修理するまでの期間に、再度雨漏りが発生して被害が拡大してしまうケースもありますので、ご自身で応急処置を行うことをおすすめします。
具体的には以下のような方法があります。
- 濡れた箇所を雑巾や吸水シートで拭き取る
- 漏水箇所にバケツを設置する
- バケツの周りにブルーシートを敷く
バケツや雑巾は雨漏りの量によってはたくさん必要になる場合があります。
日常的に使用するもの以外には用意していない家庭も多いと思いますが、いざという時に備えて多めに用意しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は雨漏りを予防するための点検方法、見るべきポイントや頻度について解説しました。
最後におさらいをしておきましょう。
- 定期的な点検は雨漏りの予防に効果がある
- 雨漏りの点検はポイントを絞って行う
- 5年の1回程度は専門業者による点検を実施すると良い
- 雨漏りを発見した際は漏れ箇所をしっかり把握しておくこと
雨漏りは一度発生すると再発のリスクがあり、修理費も高くついてしまうので、定期的に点検して未然に防ぐことが重要です。
近年では気候変動の影響により、大型の台風やゲリラ豪雨による被害も増加しており、雨漏りの発生リスクはいっそう高まっています。
一軒家などの住居にお住まいの方は、ぜひ定期的な点検をして雨漏りの発生防止に努めるようにください。