- 「窓や天井にできた水滴が雨漏りなのか結露なのかわからない…」
- 「雨漏りや結露を防止するのに効果的な方法はないだろうか…」
雨漏りと結露は、同じように見える時があります。
そんな時は見分け方のポイントを知らないと、どちらが原因となっているのか判断するのは困難です。
また、雨漏りと結露ではそれぞれ対処や防止の方法が異なりますので、間違った対応をしないためにも、原因特定は重要なポイントとなります。
そこで本記事では雨漏りと結露の見分け方、対処方法や防止策について詳しく解説します。
雨漏りと結露の見分け方とは?
初めに雨漏りと結露を見分ける際に知っておくべきポイントを解説します。
雨漏りと結露の違い
雨漏りとは建物のどこかしらから雨水が浸入することで、経年劣化などにより屋根や窓サッシ、外壁にできた隙間から漏水するケースが大半です。
一方、結露とは水蒸気を多く含んだ空気が冷たい箇所に触れ、急激に冷やされることによって水蒸気が水となる現象のことです。
冷たい飲料をコップに入れると、表面に水滴が発生することがありますが、これも結露と同じ仕組みによって起きています。
結露は特に冬場に暖房を使用して、室内と室外の温度の差が大きくなった際に発生しやすい現象です。
すなわち、雨漏りと結露はまったく別の要因によって起きる現象ということです。
雨漏りの特徴
雨漏りを見分ける際は、以下の項目に該当するかどうかを確認してください。
- 雨が降っている際または降った後に水が垂れてきた
- 水滴の箇所はエアコンなどの設備の付近ではなかった
- 水滴の箇所は屋根の真下だった
- 天井や窓の一部分に水滴ができていた
- 換気をしても改善しなかった
雨漏りは雨が降っている最中だけ起こるわけではないことを覚えておきましょう。
雨が止んだ後、徐々に建材の内部に染み込み、数日後にシミとなって現れるケースもあります。
もしシミができているのを発見した際は、数日前に雨が降ったことがなかったか、思い出すようにしてください。
またシミを発見した際は、エアコンなど結露や水漏れが発生しやすい設備機器が近くにあるかどうかも、見分けるための重要なポイントです。
結露の特徴
結露を見分ける際は、以下の項目に該当するかどうかを確認してください。
- 秋や冬など気温が低い時期だった
- 室内で暖房やストーブを利用していた
- 水滴の箇所はエアコンやストーブなどの付近だった
- 天井や窓の全体に水滴ができていた
- 換気を行ったら改善した
特に冬場、暖房を使用することによって、結露を引き起こすケースが多いです。
夏よりも冬に結露が起こりやすいのは、暖房を利用した際、室内と室外の温度差が冷房の時より大きくなりがちだからです。
たとえば東京都の場合で考えると、真夏の最高気温は35度前後ですが、真冬の場合、最低気温は2度前後です。
これをエアコン設定推奨温度(28度、20度)で運転した場合に、室内と室外の温度差を計算すると、以下の通りです。
- 真夏の外気温35度 - 冷房設定温度28度 = 温度差7度
- 真冬の外気温2度 - 暖房設定温度20度 = 温度差18度
冬のほうが温度差が倍以上大きくなるのがわかりますね。
上の数値は東京を例にしていますが、当然、寒い地域であるほど、結露が起こる可能性は高まります。
雨漏りと結露の対処方法とは?
次に雨漏りと結露が発生した場合の、それぞれの対処方法を解説します。
雨漏りの対処方法
雨漏りが発生した場合は、まずどこから漏れているのか、原因を調査する必要があります。
雨漏りの調査は、場合によっては屋根に上がったり、特殊な機器を用いたりするので、素人には難しく、専門業者に依頼しなければなりません。
ただし、専門業者は依頼しても当日中に駆けつけてくれるとは限りませんので、実際に雨漏りしている状況をよく確認して、どこから漏れてきているのか、おおよその見当をつけておきましょう。
可能であれば、雨漏りしている状況を写真などに収めておくことをおすすめします。
また専門業者に修理依頼してから、実際に修理するまでの期間で、再度雨漏りが発生すると被害が広がってしまいます。
雨漏りしている箇所にバケツや雑巾を設置するなど、自分でできる応急処置を施しておきましょう。
結露の対処方法
結露が発生した場合は、換気や除湿を行って室内の湿度を下げてみましょう。
換気は窓を開放するか、換気扇を動かすことにより行います。
除湿は除湿器を使用したり、除湿剤を設置するなどの方法があります。
冬場になると、冷たい空気を室内に入れないようにするため、換気をおろそかにしがちです。
長い間、室内を密閉して暖房を使っていると、結露が発生しやすい環境となるので、寒気が入り込む可能性はありますが、定期的に換気することをおすすめします。
なお、2003年7月以降に造られた建物であれば、24時間換気システムがついています。
しかし実際のところ、冬場は外からの冷たい空気を流入させないように、換気口を塞いでしまう人も多く、有効的に使われていないケースもあります。
結露対策には換気が重要ですので、24時間換気システムがついた家に住んでいる人は、換気の目的をよく理解して、有効活用することを心がけてください。
雨漏りと結露の発生を防止するにはどうすればいい?
最後に雨漏りと結露、それぞれを防止する方法について解説します。
雨漏りを防止する方法
屋根や外壁、ベランダといった場所は常に雨風や紫外線に晒されているので、劣化しやすい環境にあります。
建物は年数が経てばどうしても劣化しますので、定期的なメンテナンスを行い、劣化箇所が見つかれば、その都度修理しなければなりません。
雨漏りを防ぐためには、こうしたメンテナンスと修理をこまめに行なっていくと良いでしょう。
また修理する際には、防水シートや塗装材のグレードを上げたり、屋根の全面改修を行うなど、部分的な修理でなく全体的な改修を行うことで、より雨漏りリスクを低減することが可能となります。
結露を防止する方法
結露は前述した通り、室内と室外の温度差が大きくなることによって発生します。
対策としては、適度な換気を行うことが、もっとも効果的です。
湿度計などを用いて、室内の湿り具合を適時確認するのも良いでしょう。
また室内だけでなく、エアコン本体が結露することにより水滴が垂れてくるケースもあります。
そんな時はいったんエアコンの設定温度を調整してみてください。
エアコンの空気と室内の空気との温度差が原因となっている可能性があります。
また、エアコンから結露している場合、内部のアルミフィンに汚れが蓄積したことによる水漏れが原因の時もあります。
設定温度を調整しても改善しない場合は、一度修理業者へ点検を依頼することをおすすめします。
雨漏りか結露か焦らず冷静に判断しよう
水滴が垂れてきたのを発見すると、即座に雨漏りを疑ってしまう人も多いと思います。
しかし一度冷静になり、状況をよく確認すれば、別の原因によるものと気づけるケースもあるでしょう。
室内の水滴=雨漏りという思い込みは、間違った判断を招き、結果的に余計な手間と費用を要してしまうことがあります。
水滴を発見した時は、本記事で紹介したポイントと比較して、雨漏りと結露のどちらに該当するか、よく考えて判断するようにしましょう。
まとめ
今回は雨漏りと結露の見分け方、対処方法や防止策について解説しました。
最後に今回ご紹介した解説の重要ポイントをおさらいします。
- 雨漏りは雨が降った後に発生する場合がある
- 結露は室内と室外の温度差が大きい冬場に起こりやすい
- 雨漏り対策は定期的な点検で早期発見するのが良い
- 結露対策は換気が有効
一軒家やマンションに長く住んでいると、雨漏りや結露を経験することもあると思います。
特に近年は台風やゲリラ豪雨による雨漏り被害も多くなっていますので、前もって対策を考えておくことが大切です。
また結露の場合は、発生しやすい時期が過ぎれば、特に対策をしなくてもおさまることもあるため軽視しがちです。
しかし結露を長期間放置していると、カビやシロアリの発生を招く可能性もありますので、しっかりと対策することをおすすめします。
ぜひ今回ご紹介した内容を踏まえて、雨漏りや結露対策に努めるようにしてください。