- 「そろそろ雨漏りを起こさないか心配だけど、調査って無料でしてもらえるの?」
- 「とにかく見てもらうだけにして、修理の必要があるか無いかは自分で判断したい」
- 「無料で調査しますの広告、そのまま信じていいの?」
住宅を維持するというのは、何かとお金のかかることです。
ローンはもちろん光熱費や水道代、節目に固定資産税と、枚挙に暇がありません。
ただでさえ維持の大変な住宅、なるべくお金はかからないように生活したい……。
雨漏りを起こすかどうか、見てもらうだけなら無料やってくれるところは無いだろうか……。
本記事では、その疑問にずばりお答えいたします。
「雨漏り調査無料」、それって本当に無料?
「雨漏り調査無料」をうたう業者は数多く存在します。
消費者としても、「実際に工事を行うわけではないのだから無料でもおかしくない」という心理に至っても不思議ではありません。
しかしこれ、実は順番が逆であり、消費者が「調査ぐらい無料で出来るだろう」と思っているところに、業者側がニーズに応答した形になっているのです。
ビジネスの世界では顧客のニーズに応えることは決して不思議ではないどころか、基本の「キ」として考えられます。
この前提を踏まえたうえで、改めて「雨漏り調査無料」が本当に無料であるのかを考えていきましょう。
存在しないわけではない
結論から言うと、雨漏り調査を本当に無料で行っている業者は存在します。
ただし、考え方としては、本当に無料で雨漏りの調査を行ってくれる業者は、それだけで専門的な技術や知識に乏しい、と見ることもできます。
たとえば同じコップでも、マシンメイドとハンドメイドのものでは全く金額が違います。
その金額の差は「品質」であり、品質に対する対価がいわゆる「費用」として必要になります。
つまり、雨漏りの調査を無料で「行ってしまえる」業者は、費用をかけるまでもない程度の調査しか行っていない、と考えることもできるのです。
穿った見解だと一蹴せずに、無料で調査を行っている業者はなぜ無料なのか、一度考えてみる必要があります。
ビジネスである以上、ある時点で必ず料金が発生している
言わずもがな、雨漏りの調査および修理はビジネスです。
ボランティアで行っていればまだしも、ビジネスの世界では「成果と報酬」が基本の構造です。
つまり、誰かの為に何かを成せば、その報酬を受け取る権利が発生するということです。
雨漏りを調査し、原因を特定して修理することも、当然この「成果と報酬」の構造に則っています。
雨漏りを修理したことによる費用は、業者の側である程度の操作が可能です。
適正価格や相場を大きく外れてさえいなければ、増減の余地は業者側に委ねられているのです。
つまり、いくら「調査は無料です」とうたっていても、実際に工事費用が発生した段階でその中に「調査費用」が盛り込まれています。
調査無料とうたうぐらいですから、いちいち項目を分けて明記することはありませんが、必ず調査の費用はどこかしらで支払うことになっているのです。
調査は雨漏り修理の要
雨漏りにおいては、事前の調査が何よりも重要視されます。
屋根の内側や外壁の内側など、見えない部分に原因を探り当てるのですから、当てずっぽうで見当をつけて修理を行うわけにはいきません。
雨漏りの要因が必ずここにあると断言できるまで綿密な調査を行ってから着工する必要があります。
要するに、雨漏りがきちんと治るかどうかは、調査にかかっているのです。
いくら腕の良い、きれいな仕事をしてくれる職人さんが業務にあたっても、そもそも見当違いの修理をしていたのでは雨漏りは修理できません。
様々な観点から原因を特定できる広い視野を持ち、経験と実績を積んだまさしくプロでなければ、正確に雨漏りの調査を行うことはできません。
ひとつ前の項でも述べましたが、こうしたプロが「無料で」調査を行うのはいささか不審です。
高品質なものには必ず対価が必要ですから、むしろきちんと雨漏り調査の費用を設定している業者ほど、信頼できると考えて差し支えないでしょう。
「無料」を強調してくる業者には要注意!
「無料で雨漏りの調査を行ってくれる業者が存在しないわけではない」と前述しましたが、注意しなければならないことがあります。
それは、悪徳業者の存在です。
悪徳業者はとにかく耳目を集めるために、「無料」や「格安」といった文言を多用します。
消費者の無知につけ込み、法外な費用を請求するのが彼らの手口です。
やたら「無料」を強調したり、なぜ無料であるかの根拠が曖昧であったりする場合は、悪徳業者を疑った方が良いでしょう。
「雨漏りはケチらず、しっかりとことん治す」という意識を持ってさえいれば、こうした詐欺の毒牙にかかる可能性も少ないはずです。
※屋根修理の詐欺については以下の記事にて詳しく解説しています。
屋根修理をうたった詐欺を行う悪徳業者が横行しています。具体的にどのような手口で近づいてくるのか、どのように対処すべきなのかをわかりやすく解説しています。
火災保険を使えば無料?適用範囲について
雨漏りの修理には、火災保険が適用できるケースがあります。
保険を適用するので自費はかからず、実質無料で雨漏りを直すことが可能です。
ただし、火災保険が適用されるには様々な条件がありますので、以下の項で詳しくご説明しましょう。
1. 自然災害の場合は火災保険を利用できる
自然災害が原因となって雨漏りが発生した場合は、火災保険を適用して無料で雨漏りを修理することが可能です。
ただし、補償内容に「風災・雹(ひょう)災・雪災」が入っている必要があります。
- 強風により、屋根に損傷が発生した
- 雹(ひょう)の落下によって窓が破損した
- 地震の影響で瓦が落ちた、外壁にひびが入った
- 積雪による重みで雨樋が破損した
- 突風によ飛散物が住宅に当たった
これらのケースが認められれば、火災保険による補償を認められます。
とはいえ、すべての事例が同じように処理されるわけではなく、災害が起きた状況や調査の結果如何によっては、補償が行われない場合もあります。
- 経年による劣化
- 人為的な損傷
- 施工不良による不具合
- リフォーム、および増築の影響
- 修理にかかる費用が20万円以下である
- 被害が発覚した日から数えて3年が経過している
自然災害によらない雨漏りに関しては、たとえ補償内容に「風災・雹(ひょう)災・雪災」が入っていても補償されません。
少々定義が難しいですが、雨漏りを起こしたらすぐに経年劣化と決めつけず、3年以内であればとにかく申請してみる、というのも一つの手段です。
まとめ
最後になりますが、本記事のポイントをまとめました。
- 存在しないわけではない
本当に雨漏り調査を無料で行っている業者も存在しますが、少々見方を変えて「費用をかけるまでもない程度の調査を行っている」と考えるようにしましょう。 - 工事を行えば、調査の費用はどこかで発生している
雨漏り修理はボランティアではなくビジネスですから、人間が動いたぶんの費用は必ずどこかで徴収されます。
見積もり書に明記されていなくても費用は必ず発生していると考えましょう。 - 雨漏り修理において調査は最重要項目
工事を直接担当する職人さんはもちろんですが、雨漏りは原因の特定が第一です。
調査無料の広告はさほど意味を持たないということを念頭に置いておきましょう。
- 補償内容に「風災・雹(ひょう)災・雪災」が入っていること
- 人為的に生じた被害ではないこと
- 被害の発生した日から数えて3年以内に申請を行うこと
何でもかんでも無料が至高というわけではありません。
「なぜ無料にできるのか?」「無料で大丈夫なのか?」という疑問を持つように心がけましょう。